[本]問題発見能力を磨く
それなりの研究者なら、問題を解決するよりも、問題を発見するほうがいかに恐ろしく大変なことで、かつ、重要なことかは良く知っていると思います。私は、問題を設定するのに、研究の8割ぐらいの時間をかけてもいいと思っています。
最近、たくさん問題発見に関する本を図書館で借りたのですが、問題の本質は何かを発見するのにものすごくためになる本にめぐり合えました。これはもっと早くに知っていればよかった。。。1987年初版の本です。→[amazon asin=4320023684 type=inline]
息つくまもなくamazonで注文。これは1万円払っても買う価値がある。実はワインバーグという人の名前も初めて知ったのですが、きっと、有名な本なんでしょうね。まるで推理小説を読んでいるかのようでした。
問題発見というのは、犯人は誰なのかを推理するのよりもっと難しく、かつエキサイティングなものだなぁと、改めて思わされた一冊でした。
問題発見能力を身につけられたら、研究者に限らず、どんな分野でも成功することができるでしょう。実は私はそれを自分なりに分析したくて、2008年6月20日(金)なんて日記を書いて、何が真の問題だったのかを検証しようとしたのですが、目の前の問題はわかっても、真の問題がいまいちわからず。まだ問題発見能力がなさそうです。鍛えなきゃ。
[実験]通過連絡運輸とSuica
鉄ちゃんには当たり前の話なのかもしれませんが、ちょっと実験してみたので報告。
470円が340円に割引される
今日、SIPropの第10回SIProp勉強会に参加してきました。NAT越えの最新状況と、皆さんが実際にどういう実装の仕方をしているのかを知りたくて。
で、今回の本題はそっちではなく、鉄道の話。向河原という駅から会場のある新宿駅まで電車で向かうのですが、駅探とかを使ってその経路を調べると、普通、こうなります。
●向河原 | 18:23発 | JR南武線(普通)[立川行]2分 | 18:25着 ○武蔵小杉 | 18:31発 | 東急東横線(通勤特急)[渋谷行]13分 | △18:44着 ○渋谷 | 18:49発 | JR山手線(外回り)[新宿方面行]7分 | 18:56着 ■新宿
しかし、不思議なのは料金です。このように会社の異なる路線を複数使うにもかかわらず、料金が「340円」と、ひとつしか出ないのです。普通は、3つの路線それぞれの料金が出ますよね。本来は、
向河原→(130円)→武蔵小杉→(190円)→渋谷→(150円)→新宿
こうなるべきで、合計470円です。なのに340円ってどういうこと?
これは、通過連絡運輸という決まりごとの上に成り立つ料金なのです。以下、Wikipediaから引用。
A社~B社~A社という乗り継ぎが可能である場合に、前後2区間のA社線の営業キロを通算して1区間分の運賃を計算するように協定が結ばれている場合があり、この協定に基づく連絡運輸を通過連絡運輸(つうかれんらくうんゆ)という。
実は、JR南武線「矢向~宿河原」の各駅から、東急東横線を経由して、山手線各駅か中央線の「東京~新宿」の各駅で降りる場合(逆方向も可)にも適用されるので、上記のルールで、向河原から武蔵小杉と、渋谷から新宿の営業キロが通算されて、150円になったのです。つまり最初の130円分がまるっと無料になっちゃうんですよね(向河原から武蔵小杉は1kmもないんです)。
Suicaでもちゃんと割り引かれるの?
この制度はもともと知っていたので、PASMOが導入されるまでは、その専用の切符を券売機で買っていたのですが、私鉄でPASMOが導入さた直後、喜び勇んでSuicaで行ってみたら、通過連絡運輸は考慮されず、130円も高くとられて悔しい思いをした、という経験があります。なので、やっぱりこの区間はSuicaではなく、わざわざ券売機で切符を買っていました。
ところが最近になって、Suicaを使ってもこういう割引がちゃんと計算されるようになったそうで! 探してみたら公式ホームページにちゃんと説明が書いてあったので、読んで見ました。
http://www.jreast.co.jp/suica/use/auto_pay/others/sf.html
うわ、ややこしすぎる。。。Suicaを使った方が安くなる場合や、切符を使ったほうが安くなる場合など、いろいろ出てくるのですね。で、肝心の向河原から新宿はどうなのかというと、
【ルール4~6】のように、「JR東日本線~私鉄・地下鉄線~JR東日本線」と乗り継ぐ場合で、下表にある区間をご利用のときは、Suicaをご利用の場合と乗車前に券売機等で全区間1枚のきっぷ(磁気乗車券)を購入した場合とで運賃の異なることがあります。
異なるってどういうことだ。具体例が書いていない。これは調べてみるしかない!
やってみた
ということで、実際にやってみました。
向河原から武蔵小杉へ
はい、当たり前ですが、この時点では普通に130円引かれました。
武蔵小杉から渋谷へ
渋谷で降りると、やっぱり普通に190円引かれました。うん、我慢、我慢。次できっと何か起こるに違いない。
渋谷から新宿へ
新宿で降りると、150円引かれました。…え? 変わってないじゃん。(T_T
結果
だめでした。130円損しました。ジュース一本無駄にしました。
まとめ
東急東横線を使った通過連絡運輸を使いたい場合は、SuicaやPASMOは使わず、券売機で切符を買いましょう。
おしまい。(T_T