ギー杉月報 2011年2月

契約。準備を着々と進める

1日、いよいよ物件の契約にこぎつけた。物件がなかなか確保できず、途中諦めかけたりもしたことを思い出しながら契約印を押す。ここまでの道のりは平坦ではなく、とても長く感じたけれども、実はまだ構想から一ヶ月も経っていなかったことに驚く。あきらめないでやり続ければ、必ずやり切れるのだと改めて確信した。

ギー杉は、住むことだけが目的のシェアハウスではなく、ここからたくさんのビジネスが生まれ育っていく場所にしたい。ギー杉は、オフィスとしての要素も持たせたい。そういったことも不動産屋さんとは話をしてきていて、契約時に火災保険や借家人賠償責任保険等の各種保険は、個人用ではなく業務用のものにさせてもらった。もちろんコストは高くなるけれども、将来への投資と思って契約。

2011/02/05a.jpg 2011/02/05b.jpg 2011/02/05c.jpg 2011/02/05d.jpg 2011/02/05e.jpg 改めて、この雰囲気がいいなぁと。

その後、オープンまでの2週間はあっという間だった。

忙しくてなかなか開けていなかった銀行口座を武蔵小杉に開く。先月の計算通り、やはり必要な資金は200万円を超えるようだ。実際にやってみると普通に家を借りてベッドなどを買えばいいという訳にはいかない事を思い知る。

11日、小雪のちらつく中、できるだけ安く共用設備を調達しようと、ネットだけではなく実店舗も回る。池袋のビックカメラアウトレットで、ちょうどその場にあった洗濯機と冷蔵庫がネットよりも安く買えた。翌日は、ネットで注文していた押入れチェストとベッドを受け取り、電気の使用開始の手続き。二段ベッドを組み立てて、その他細かい物を買出しに新川崎に新しくできたモールへ行くなどした。

2011/02/12a.jpg 2011/02/12b.jpg ベッドを組み立て

並行して、公式サイト(www.kosugeek.org)をどんどんと更新。設備やアクセス、写真等の情報を追加したり、入居予定者のTwitterのアカウントを公開するなどした。

こうやって日に日に思い描いていたギー杉が現実のものなってきて、そのオープン日が近づいてくると、期待や不安に寂しさが混じったような説明の難しい感情が沸き上がってきた。会社を立ち上げる時もこんな感じなのかな? そんなことを思いながら、ギー杉オープンへ向けて、会社の仕事もこなしながら、まさに分単位のスケジューリングをして走り回っていた。

ギー杉のビジョン

何かを成し遂げようとするなら、その何かを明確にして突き進めるようにビジョンを描かなければ!というのは、物件探しの時点から考えていた。ギークハウスが持つメッセージは明確だけれど、ギー杉そのものについては自分から発信していかなければ無色透明のままだ。ギー杉ならではの何かが欲しい。そこですぐに思い浮かんだのは次の二点。

  • ギークハウス武蔵小杉に住むギークたちが、緩く楽しく自分の能力を発揮し続けていれば、衣食住と楽しい毎日が保証されるような、そんな家にしたい。
  • 生み出された価値を、できるだけ「お金」に変換したくない。色の付いていない「数値」に変換したくないから。あなたとわたしの間で決まる価値、これは他人が評価できるものではないから。

これをビジョンに昇華させるにはどうしたらいいのだろう? 時間を作ってしっかり考えたいが、一人で考えていても仕方ないな〜と思ったので、せっかくならその過程をオープンにしてみようと思った。その結果が、「ギークのための通貨の作り方勉強会」を開催する流れへとつながっていった

まだオープンしてもいないというのに勉強会の日も決まり参加者も怒涛の勢いで集まるなどというスピード感を目の前にして、やや興奮していた。

大雪のバレンタインデー

14日、いよいよ待ちに待ったギークハウス武蔵小杉のオープン日。朝から雪。

なぜバレンタインデーをオープン日にしたか? 特に理由はなかったのだけれど、強いて挙げるとしたら、ギークには最も縁の無い日になりそうだなぁ(偏見)と思ったのと、単純に2月中旬ぐらいから住みたいと言っていた(けれども残念ながらキャンセルになった)人がいたぐらい。

ちなみにこの日、会社では普段話すこともないだろうお偉いさんとの懇談会が設定されていた。一応話すテーマは決まっていたのだけれど、そんなのはそっちのけで「もう時代は大企業を求めていない」とか「フリーエージェント社会が到来する」等と言いまくってテーマをぶち壊してしまった。他の人達は何を言っているんだとポカーンとしていた。

今思えば、スゴイことをしでかしてしまったのだけれど、きっと頭の中はギー杉のことでいっぱいで、実際そうなのだと肌で感じていたから、無理もないと思う。改めて真面目に会社の将来について考えてみても、やはりこの反応は正しかったと言える。

夕方から大雪になってきた。一応、ギークハウス武蔵小杉のオープンをTwitterで宣言する。

今日はバレンタインなんとかデーではなく、ギークハウス武蔵小杉のオープン日です。 #geekhouse
posted at 18:43:43

けれども、交通機関も止まりそうな勢いで雪が降り続き、ちょっと徒歩では無理だなぁ、とツイートをしようと思っていたら、、、

しかしまだ俺一人しかいないし、雪も降っちゃってるし、しんどいから会社からそのまま自宅に帰ろーっと。いや~なんと言ういいかげんなオープン日…ってツイートしようとしてたらDMがきて、会社に車で迎えに来てくれるコトになった。ネットの力すごい
posted at 18:57:00

そんなこんなで、DMしてくださった @h_fukuoka に車を出してもらって、なんとかギー杉にたどり着く。しかし泊まる気はさらさらなかったので、電車が止まらないうちに、そそくさと帰宅。

2011/02/14a.jpg 暗いけど、庭に雪が積もっているところ

なんともいい加減なオープン日になってしまった。

入居者と初めて会う

無事にオープンはできたものの、入居者はまだ自分だけ。しかも普通に住めるような状況ではないし、入居者とはまだ誰ひとりとして一度も会っていない。もし、ネット上でからかわれているだけだったらどうしよう?なんて不安がよぎりながらも、必要なものを細々と買い続ける。

  • 16日:会社帰りにイトーヨーカドーに寄って、コンセントの延長ケーブル等を買ってエアコンを付けられるようにした(なんと設置されているエアコンの電源ケーブルが、この寒い中なのにコンセントまで届かずに付けられない状態だった)。しばらく横になってから帰る。
  • 17日:某省庁に寄った帰りのついでに、某社のフリーアドレスオフィスを見学。ギー杉やギークオフィスの什器類の参考に。
  • 20日:ガス開栓、イッツコム契約・立会い、押入れチェスト8つ、住人の荷物宅配の受け取り。不動産屋さんへ行って火災保険の訂正。Sガストで夕食をとって、ヨーカドーで毛布を買って、初お泊り。
  • 21日:8:00に出ても会社に間に合うなんて幸せだ! 夕方は、コンロ、冷蔵庫、掃除機、洗濯機、パソコン、オーブンレンジ等を受け取り、帰宅。宅配業者が住所だけでは辿りつけないパターンが多く、電話がかかってくる。

そして23日、初の入居者となる @atsushifx と会った。ギー杉を案内する。すぐに気に入ってくれて、来月6日から入居することになった。ようやくネットではなくて生身の人間と会えた。あー嘘じゃなかったんだなと、ホッとした。

ちなみに、28日からは数日シリコンバレーで議論した後、帰宅せずに沖縄へ直行して学会発表。移動しながらプレゼン資料を作る感じ。本当にこの数ヶ月は目が回るほどの忙しさだけれども、とても楽しい!


今月の来訪者

@h_fukuoka: ギー杉オープン日に車を出してくれた
@atsushifx: 見学・契約に来てくれた